SESの働き方にもだいぶ慣れてきたころに、何となく気づき始めたことがあります。
自社と常駐先の契約には、月の稼働時間に幅が設けられている、ということです。
140時間から180時間という幅
おそらくこういう仕組みでした。
- 月140時間から180時間の範囲なら、金額は固定
- 180時間を超えたら、超過分を別途精算
- 140時間に満たなければ、減額精算
念のため書いておくと、これは推測です。私は自分の契約書を見たことがありません。ただ、周辺の話を総合すると、そうとしか考えられませんでした。
つまり、私が月140時間働いても、180時間働いても、自社に入るお金は変わりません。
この40時間を、誰がどう見ているか
この幅の中で、関係者それぞれの利害を整理してみます。
| 140時間が望ましい | 180時間が望ましい | |
|---|---|---|
| 常駐先 | ○ 同じ支払いで、最大の労働力が得られる | |
| 自社 | ○ 印象が良く、契約が続く | |
| 私 | ○ 同じ給料で、最小の労働時間 |
常駐先にとっては、180時間ぎりぎりまで働いてもらうのが得です。支払う金額は同じなのですから。
では自社はどうか。自社にとっても、140時間で終わられるのは困ります。金額は変わらなくても、常駐先からの印象が悪くなれば、次の契約更新に響くからです。むしろ140時間ぎりぎりは狙わないでほしい、と思っていたはずです。
つまり、こうなります。
この140時間から180時間という幅の中で、利害が一致していないのは、私ひとりだけです。
みなし残業と掛け合わせると、もう一段
私はこのころ、職級が変わってみなし残業になっていました。残業をしても、給料は増えません。
すると、こうなります。
- 自社に入る金は、140時間でも180時間でも同じ
- 私の給料も、みなし残業なので同じ
- つまり、その40時間で得をするのは常駐先だけ
自社は1円も増えないのに、私に180時間側を求めます。理由は、客先の印象が次の契約につながるからです。
言い方を変えると、自社の営業上の都合のために、社員が無償の40時間を出しているということになります。
これが嫌だった
当時、私が一番嫌だったのはここです。
常駐先が180時間を望むのは、まあ分かります。立場が違うのですから。
でも、自社まで同じ方向を向いている。なんなら、自社は180時間を超えて働いてほしいと思っていたと思います。なぜなら、180時間を超えた分は超過精算が発生し、自社に入るお金が増えるからです。
そしてこれは一般的なことなのか私が所属していた自社に限った話なのかは分かりませんが、仮に140時間を下回った場合、減額精算が発生するため自社に入るお金が減ります。そしてそれは私個人の給料からもマイナスが発生します。逆に、180時間を上回った場合、超過精算が発生するため自社に入るお金が増えます。そしてそれは私個人の給料へのプラスになりません。会社が潤って終わりです。こんな不公平なことってあるでしょうか。
少し愚痴が入ってしまいましたが、この140~180時間という幅の話に、私の味方は一人もいませんでした。
もしあなたがいまSESで働いているなら、自分の契約にこの幅があるのかどうかを知る所から動いてみてはどうでしょうか。知ったところですぐ何かが変わるわけではありませんが、知らないままでいるのとは違うと思います。
