自分に関する書類を、私は何ひとつ見たことがなかった

自分に関する書類を、私は何ひとつ見たことがなかった SESの仕組み

15年勤めて、辞めてから気づいたことがあります。

私は、自分に関する書類を、何ひとつ見たことがありませんでした。

1. 自分の単価

自分が客先にいくらで出されているのか、私は知りません。15年間、一度も。

1年目か2年目の飲み会で、同期のひとりが営業に聞いたことがあります。返ってきたのは「なんでそんなこと知りたいの?」でした。それ以降、私は聞くことも考えることもしなくなりました。

2. 自社と常駐先の契約書

自分がどういう条件で働いているのか。その契約書を見たことがありません。

月の稼働時間に精算の幅があることは、何年か経ってから「たぶんそうなっているんだろう」と推測で理解しました。推測です。確認したわけではありませんが、SES企業を辞め、SESメンバを受け入れる側の立場になり改めて確信できたことでもあります。

自分の労働条件を、当事者が推測で把握している。なかなか健全とは言えない状態だと思います。

3. 自分のスキルシート

SESで人を客先に出すときには、スキルシートという書類が使われます。この人はこういう経歴で、こういう技術が使えます、という商品説明書のようなものです。

私は、自分のスキルシートを一度も見たことがありません。

営業が書いて、私の手を離れて、面談の相手に渡ります。相手はそれを読んだ上で、私の前に座っています。相手は読んでいて、私は読んでいない書類について、面談が行われるわけです。

4. 自分の契約の種類

最後の現場で、成果物の扱いについて疑問を持ったことがありました。そのときに気づいたのですが、自分の契約が準委任なのか、それとも別の形なのか、私は正確に知りませんでした。

契約の話で何かを言おうとしているのに、自分の契約の種類を知らない。おかしな話ですが、書類を見せられていないのだから、知りようがありません。

4つ並べて、初めて分かったこと

単価。契約書。スキルシート。契約の種類。

ひとつずつなら「まあそういうものか」で済みます。並べると、話が変わります。

私は、自分に関する情報を、何ひとつ持たないまま15年働いていました。言われるがままに。

そしてこれは、私が特別に無頓着だったという話ではないと思っています。見せられていないものは、見ようがない。聞けば咎められる空気がある。だから多くの人が、同じ状態のまま働いています。

もしいまSESで働いているなら、この4つのうちいくつを知っているか、数えてみてください。

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