会社説明会で、業務内容がどう説明されたか。細かいところまでは覚えていません。ただ、ひとつだけ引っかかっている表現があります。
「プロジェクトによっては現場に常駐して作業することもある」
たしか、そういう言い方だったと思います。
実際は、全員が常駐していた
入社してから分かったことですが、その会社では全員が客先に常駐して働いていました。「こともある」どころではありません。それしかなかったのです。
「常駐することもある」は、たしかに事実として間違っていません。実際に常駐するのですから。嘘はついていません。ただ、実態は「しかない」でした。
この「ある」を、学生が見抜けるか
ここが問題だと思っています。
説明会の場で、「こともある、というのは何割ですか」と聞ける学生が、どれだけいるでしょうか。しかも当時の私は、SESという業態の存在すら知りません。常駐が何を意味するのかもいまひとつピンと来ていなかったぐらいかもしれません。
知らない概念について、その説明の含みを読み取るというのは難しい話です。
入社してから、この話法にはもう一度出会うことになります。「しばらくは本社で研修」という言い方です。その「しばらく」が実際はどのような意味だったのかは、別の記事に書こうと思います。
いまの求人票にも、同じ言葉が並んでいる
これは20年前の話ですが、いまSES企業の求人票を眺めると、似た表現がいくらでも見つかります。
- 「プロジェクトにより勤務地が変わります」
- 「幅広い案件に携われます」
- 「若いうちから上流工程に関わるチャンスがあります」
- 「スキルアップできる環境です」
どれも嘘ではありません。そして、どれも実態を語っていません。
もし就職や転職でSES企業を検討している人がこれを読んでいるなら、「ある」「こともある」「チャンスがあります」といった語尾を見つけたら、その割合を聞いてみてください。答えられないなら、それが答えです。
私は、聞きませんでした。聞けるだけの知識がありませんでした。

