ここまで、あまり良い話を書いてきませんでした。
この手の記事を読んでいると、たいてい途中でこう思うはずです。「それはお前の会社が特別ひどかっただけでは?」と。
だから、先に書いておきます。
私がいたのは、たぶん「いい方」の会社だった
そう考える根拠がひとつあります。私が自分で判断したことではありません。外の人に言われたことです。
15年で500万弱の年収が「意外と多いですね」
転職活動の際に、エージェントに現在の年収を伝えたときの話です。私は正直にそのときの年収を伝えました。「500万に届くかどうかぐらいです」と。
返ってきた言葉が、これでした。
「意外と多いですね」
一見するとすごく失礼なひと言にも思えますが、エージェントのこの言葉は、たくさんのSESエンジニアの話を聞いてきた上でのひと言です。
それはつまり、多くのSESエンジニアはこの500万という年収よりもだいぶ少ないという実情を何よりも表していたのではないでしょうか。
プロが、たくさんのSESエンジニアの話を聞いた上で言った一言。これは、統計を出すよりもよほど思いひと言だったと思っています。
だから、この話は「ひどい会社の告発」ではない
給与の水準が業界の中では悪くない側でした。
パワハラを受けたわけではありません。給料が遅配したこともありません。悪意を持った人に囲まれていたわけでもありません。むしろ、最初の常駐先でお世話になった恩人と呼びたい先輩がいますし、話を聞いてくれる営業もいました。
その上で、15年経って手元に残ったものが、この連載に書いているようなものでした。
「いい方」でこれなら…という話
私がこのブログで書きたいのは、特定の会社が悪かったという話ではありません。
いい方の会社で、真面目に15年勤めても、こうなる。そういう仕組みの話です。
もしいまSESにいて、「うちはもっとマシだから」と思っているなら、その感覚は正しいかもしれません。私の会社も、たぶんまだマシな方でした。
問題は、マシかどうかではなく、マシでも15年後にこうなる、という構造のほうです。

