自分の精算幅を確認する方法と、分かったら何をすべきか

自分の精算幅を確認する方法と、分かったら何をすべきか SESから抜ける

SESの契約には、月の稼働時間に精算の幅が設けられていることがあります。140時間から180時間、というような幅です。この範囲なら、何時間働いても自社に入る金額は変わりません。

私はこれを、SESに慣れてきた頃に何かのきっかけで「たぶんそうなんだろう」とフワッと理解しました。はっきりと確認できたわけではありません。

では、どうすれば確認できるのか。現実的な方法を書いておきます。

前提:会社間の契約書は、たぶん見せてもらえない

最初に身も蓋もないことを書きます。

自社と常駐先の契約書は、会社間の商取引の書面です。社員に開示する義務はありません。「見せてください」と言って出てくる可能性は、あまり高くないと思ったほうが良いと思います。

ただし、幅の存在と数字を知る手立ては、いくつかあります。

1. 自分の雇用契約書と労働条件通知書を読む

これはあなた自身の契約なので、自社に確認すれば確実に手に入ります。

ここに書いてあるのは、常駐先との精算幅そのものではありません。ただ、みなし残業(固定残業代)が何時間分として設定されているかは分かります。これが自分の労働時間の議論の出発点になります。

私は、この書類をきちんと読んだ記憶がありません。読んでいれば、職級が変わって残業代が出なくなったときに、もう少し早く気づけたはずです。

2. 給与明細の固定残業代の時間数を確認する

毎月受け取っているのに、ちゃんと見ていない人が多い書類です。

固定残業代が何時間分なのか。実際の残業がそれを超えた月に、追加で支払われているか。超えているのに支払われていないなら、それは別の問題です。

3. 営業に、精算条件だけを聞いてみる

「単価はいくらですか」と聞くと、はぐらかされることがあります。私の同期がそうでした。

ただ、聞き方を変えると答えが返ってくることがあります。

「いまの現場、精算の下限と上限は何時間ですか?」

これは金額の話ではなく、SESという形態において自分が何時間働くべきかという実務の話です。稼働の管理に直接関わるので、答えないほうが不自然になります。

月末に「今月あと何時間」と言われることがあるなら、その時点で幅は存在しています。幅の話を直接聞かされたことがなくても、「最低でも140時間は下回らないように気を付けて」みたいなことを暗に言われたことがあったりしませんでしょうか。

4. 自分の実労働時間を、3か月記録する

いちばん確実で、誰にも許可が要らない方法です。

毎月の実労働時間を記録してみてください。3か月続けて、上限側に張り付いているなら、その超過分はあなたが無償で出しているものです。

みなし残業なら給料は変わりません。自社に入る金額も変わりません。得をしているのは常駐先だけです。

分かったら、何をすべきか

ここで書いておいてあれですが、、

数字が分かっても、たぶん何も変わりません。

「上限に張り付いているので調整してください」と言ったところで、常駐先も自社も、そちら側を望んでいます。構造上、この幅の中にあなたの味方はいません。

このころよりもだいぶ先の話ですが、私はSESとしての最後の現場で、契約の性質について自社の営業に相談したことがあります。営業は「その通りですね」と同意してくれました。そして、何も起きませんでした。

では意味がないのかというと、そうではありません。

数字を知ることの意味は、交渉材料になることではなく、自分の判断材料になることです。

年間何時間を無償で出しているのか。それが3年続くと何時間になるのか。それを具体的な数字として持っているかどうかで、次に何をするかの判断が変わります。

私は、その数字を持たないまま15年を過ごしました。だから、判断を先延ばしにし続けられた(先延ばしにしてしまった)のだと思っています。

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