入社したのは4月です。1年目は本社で新人研修を受ける予定でした。ビジネスマナー研修と、技術研修。そういう説明だったと記憶しています。
そして、私が実際に現場にドナドナされたのは、4月の中頃でした。
研修の途中で、要員の話が来た
ビジネスマナー研修の半ばごろだったと思います。ある現場でメンバーが不足しているとのことで、まだ入社して間もない新入社員をひとり欲しがっているという話が来ました。
ある日の業後、その客先に常駐していた先輩社員がやってきて、事前にピックアップされていた新人何人かに対して一斉に面談が行われました。「ひとりずつ簡単に自己紹介をしてもらっても良いですか?」「触ったことがある言語を教えてもらっても良いですか?」そんな感じの簡単な面談です。私もそこに含まれていました。
面談の結果、私がその現場に行くことになりました。入社から、2週間ほどでの出来事です。
技術研修は、何も受けていなかった
この時点で私が受けていた研修は、ビジネスマナーだけです。名刺交換の作法と、電話の取次ぎ。あとはセキュリティ的な話や社会人としての常識がどうのこうの…それだけでした。
技術研修は、まだ何ひとつ始まっていません。
工学系の大学を出てはいましたが、実務はもちろん初めてです。プログラミングを行う環境、IDE、開発業務のいろは等々、なにひとつ分かっていませんでした。
その状態で、客先に送られました。
「しばらくは本社で研修」の、しばらくについて
入社時に言われていたのは、「しばらくは本社で研修」でした。
その「しばらく」が何を指していたのか、いまなら分かります。
常駐先が決まるまで、という意味だったんだろうなと思います。
研修の期間があらかじめ決まっていて、それが終わったら現場に出る、という順番ではありません。現場が決まったら、研修は途中でも終わる。あの会社では、研修と待機がほとんど同じ言葉でした。
これは、説明会で聞いた「常駐することもある」と同じ話法です。嘘ではないけれど、実態は違う。その話は別の記事に書きました。
そして、そのまま4年が過ぎた
結局この常駐先には、4年ほどいることになります。
当時の私は、それについて特に何も思うことはありませんでした。IT系っていうのはこういうものなんだなと、と受け止めていました。常駐が始まったその日から残業することが当たり前の日々が続きましたが何も不思議に思いませんでした。比較する対象を持っていなかったからです。
いま思えば、比較対象を持たないまま社会人になると、最初に見たものが基準になってしまいます。SESの一番怖いところは辛い現場に送られることがあることよりも、辛い現場の働き方が当たり前のこととして刷り込まれてしまうことなのかもしれません。

