入社2週間で現場に送られた話には、ひとつ書き残したことがあります。
あのとき私を含めて、新人は4人いました。
先輩1人に対して、新人4人
面談の場に座っていたのは、その客先に常駐していた自社の先輩がひとり。向かい合っていたのが、私含め事前にピックアップされていた新人4人です。
そこで何を話したのかは、正直あまり覚えていません。技術の話ができるわけもなく、当たり障りのないやりとりだったはずです。大学ではどんなことをしていて、私のアピールポイントはこんなところですとか、多分そんな感じです。
結果として、選ばれたのは私でした。
当時はそれを、素直に前向きに受け取っていました。4人の中から自分が選ばれた。少しは期待されているのかもしれない、と。技術研修も受けていない、入社間もない人間がです。
選ばれなかった3人が、その後どうなったか
ここからが本題です。
あの面談で選ばれなかった3人のうち、ひとりは何か月か後に、同じ客先に送られてきました。プロジェクトこそ違いましたが、同じ常駐先で勤務することになりました。
残りの2人も、本社でしばらく研修を受けたあと、それぞれ別の現場に送られていったと記憶しています。
つまり、こういうことになります。
あの面談で決まったのは、能力の差ではありませんでした。順番でした。
たまたま枠がひとつ空いたから、たまたまピックアップされた4人のうちからたまたま私が行くことになった。次の枠が空いたら、次の人が行く。行き先が違うだけで、全員が順に出ていきました。
選考の形をした、順番待ちだった
4人が並べられて、1人が選ばれる。形としては選考です。
ただ、落ちた人がいない選考を、選考とは呼びません。あれは、順番を決めるための場でした。
そして、当時の私はそれを「選ばれた」と受け取り悪い気はしていませんでした。少し嬉しくさえあったかもしれません。何と比べて何を基準に選ばれたのかも分からないのに。
基準は、最後まで知らされない
なぜ自分だったのか。なぜ他の3人ではなかったのか。
当時もいまも分かりません。正直、いまとなってはどうでも良い話です。誰からも説明されませんでしたし、そもそも説明されるものだと思っていませんでした。
この「よく分からないまま、どこかへ送り出される」という感覚は、このあと15年、形を変えて何度も繰り返されることになります。
次にどこへ行くのか。なぜそこなのか。いつまでいるのか。決めるのは自分ではなく、理由は知らされない。
入社して1か月も経たないうちに、私はそれを経験することになりました。

